寒河江市ですこやか教室を実施しました


2025年3月18日、寒河江市ハートフルセンターにおいて「すこやか教室」が行われました。今回は、「始めよう!骨(こつ)骨(こつ)生活」と題し、骨粗しょう症をテーマに山形大学医学部リハビリテーション部准教授の高窪祐弥先生が講師を務めました。

 

はじめに、超高齢社会と骨粗しょう症についてのお話がありました。日本は世界有数の長寿国であり、「人生100年時代」とも言われていますが、ただ長生きするだけでなく、「元気に自立して暮らせる期間=健康寿命」をどう伸ばすかが大きな課題です。

骨粗しょう症は、年齢とともに誰にでも起こりうる病気で、特に女性はホルモンの影響で骨がもろくなりやすく、70代後半では2人に1人が骨粗しょう症と診断されているそうです。骨の強さ(骨密度)は20~30代がピークで、その後は徐々に減っていくと述べられました。

 

次に、骨粗しょう症による骨折についての解説がありました。この病気の怖いところは、「いつのまにか骨折」です。転んだり大きな衝撃がなくても骨が折れてしまうことがあり、特に背骨や脚(あし)の付け根の骨折は、歩くことや日常生活に大きな支障をきたします。

 

の付け根を骨折すると、反対側の骨も骨折しやすくなることが分かっており、脊椎については本人が気づかないうちに骨が折れている「いつのまにか骨折」というものがあると解説がありました。

最後に、骨粗しょう症を防ぐためのポイントとして、「バランスのよい食事」「適度な運動」「必要に応じた薬の活用」について紹介がありました。

 

また、自分の体の状態を知るための「ロコモティブシンドローム(注1)」の簡単なチェックや、筋力を保つためのトレーニングも一緒に行いました。

 

トレーニングは毎日続けることが大事ですとお話され、骨粗しょう症にはほとんどの方がなってしまいますが、骨折すると大変ですので、日々の食事、運動に加え、骨粗しょう症について相談できるかかりつけ医を持ちましょうと締めくくりました。

 

会場に設けられた骨密度チェックブースでは多くの方が列を作り、骨への関心の高さを伺わせる講演でした。セルフチェックや予防トレーニングが掲載されているロコモオンラインONLINE(HPリンク)もぜひご覧ください。

 

【日本整形外科学会:ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト ロコモオンライン 】 

◆すこやか教室とは・・・

 

「山形県コホート研究」の成果の還元と県民の健康増進を図る目的で2007年にスタートした山形大学医学部の出前講座です。研究に協力している自治体(山形市、酒田市、寒河江市、東根市、天童市、上山市、米沢市、高畠町、舟形町)からテーマを募り、山形大学医学部の医師、看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士が講演や実技指導を行っています。


山形大学Well-Being研究所事務局

(山形大学医学部研究支援室)

 

〒990-9585 山形県山形市飯田西2-2-2 

MAIL: yu-ikekenkyu(at)jm.kj.yamagata-u.ac.jp

※(at)は@に置き換えて送付ください