
2025年1月21日、寒河江市ハートフルセンターにおいて「すこやか教室」が行われました。
今回は、「正しく知ろう、慢性腎臓病」をテーマに山形大学医学部附属病院第一内科助教の渡部紗由美先生が講師を務めました。
はじめに、腎臓には「尿をつくる」「ホルモンを調節する」という重要な役割があり、身体を正常に保つために欠かせない臓器であると説明がありました。
次に、慢性腎臓病(CKD)についての解説がありました。慢性腎臓病とは、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、または生まれつきの免疫異常によって引き起こされる、慢性的に進行する腎臓の病気です。日本では5人に1人が慢性腎臓病であるとされています。この病気が進行すると、脳卒中や心筋梗塞などの心血管リスクが高まり、腎不全に至ると透析や腎移植が必要になります。
慢性腎臓病かどうかは、健診でのeGFR値や尿たんぱくの異常で確認できます。また、高血圧や糖尿病がある人は、慢性腎臓病の予備軍であるため注意が必要で、減塩や血圧測定が効果的な対策として紹介されました。
続いて、腎臓を守る生活習慣について説明がありました。具体的には、減塩、禁煙、口腔ケア、運動などが推奨され、これらは健康で長生きするためにも役立つ習慣です。また、腎臓を保護する効果がある降圧剤や糖尿病薬についても紹介されました。運動や服薬については個々の状態に合わせて調整が必要なため、かかりつけ医に相談することが勧められました。
講演は、寒河江市にゆかりのある講師の自己紹介から始まり、腎臓や慢性腎臓病について分かりやすく解説されました。腎臓の大切さやいたわり方を詳しく学ぶことができ、参加者の腎臓に関する理解が深まる有意義な内容でした。
◆すこやか教室とは・・・
「山形県コホート研究」の成果の還元と県民の健康増進を図る目的で2007年にスタートした山形大学医学部の出前講座です。研究に協力している自治体(山形市、酒田市、寒河江市、東根市、天童市、上山市、米沢市、高畠町、舟形町)からテーマを募り、山形大学医学部の医師、看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士が講演や実技指導を行っています。